大判例

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東京高等裁判所 昭和25年(う)2862号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(理由)

原判決擧示の諸證據を綜合すれば原判示事實を認定し得べく、所論荒木茂に關する部分についても原判決援用の關係證據、就中同人の檢察官に對する第七回乃至第一〇回供述調書及び同人名義の昭和二五年二月三日附書面によればこれを肯認するに難くなく、記録を精査しても原判決の右事實認定が誤つて居るとは思料し得ない。前記荒木茂の昭和二五年二月二日附書面は同人の檢察官に對する第七回供述調書中同人の申立として「是迄に私が述べた事の中眞實と多少違つた點がありますから書いてみます」と記載され、これに續いて「此の時供述者手記を始め約三時間位後に手記を提出する」と記載されてあるのと、右書面が該供述調書の末尾に編綴せられている點に稽えれば右書面は刑事訴訟法第三二一條第一項第三號の書面と解するよりは寧ろ同條同項第二號に該當する書面と解するのを相當とする。而して原審第二回公判調書によれば同公判期日における右荒木茂の供述は前示書面の内容と相反するものがあり、而かも該書面の成立した右經緯に徴すれば前者よりも後者を信用すべき特別の情況ありと認められるから、原判決が所論書面を罪證に供したのは何等違法でない。所論は畢竟するに原審の專權に屬する證據の解釋並にその取捨判斷を論難し、延いて原判決の事實誤認を主張するものに外ならないから採用できない。

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